当初、設計事務所関係の顧客を回るだけの予定が、いつの間にか、建設会社の担当を持たせてもらえるようになりました。
そのきっかけとなったのが、お客様。
日に日に社内の様子が悪くなっているのとは逆に、お客様からは温かいお言葉をいただくことも少なくはなかったのです。
そして、とある設計事務所の先生から、
「せっかく女性が来てくれてるのに、絵を描いて(メーカー図面のこと)もらわんわけには行かんでしょ?」
笑いながら、そう言って、わたしが扱うメーカーでの設計及び図面作成の依頼がきたのでした。
そして、その物件の計画段階では、わたし指定で建築会社に図面が行ったのだから、会社もわたしを担当にしないわけにはいかなかったようです。
この辺りをきっかけに、わたしの気持ちも少しずつ変わってきました。
それまで、会社の雰囲気が悪いのは、わたしを営業にした会社のせいだと心のどこかで思っていたのですが、わたしの対応のせいで、他の人にも信頼してもらえなかったのだろうし、自分で雰囲気を悪くしていたのかも?と考えるようになったのです。
そう感じた翌日、経費の請求に経理のフロアへ行ったとき、満面の笑顔で女性社員に挨拶してみたのです。
すると、びっくりしたように、こわごわと返事を返してくれたのでした。
思ったより、解決策は簡単だったのかもしれません。
それからは、出来るだけとびきりの笑顔で自分から挨拶し、声もかけるようにしたのです。
あと、質問するときは、最初に、相手の名前を大き目の声で名指しする。
たったこれだけで、ちゃんとした回答を得らるるようになったのです。
人間って、不思議なもので、名前を呼ばれて質問されると、自分が無視していると見られたくないという思いから、ちゃんと答えようという雰囲気が流れるものなんですね?